オーサリング機能を使いたい
オーサリング機能とは?
オーサリング機能は誰でも簡単にインタラクティブなXRコンテンツを作れる機能です。例えば、以下のようにユーザーがオブジェクトに近づくとそのオブジェクトの情報が周囲に表示されたり、ユーザーが問題に回答すると様々なアクションが再生されたりなどの設定が可能です。

オーサリング機能を使用してコンテンツを作る際の手順は以下の通りです。
①シーケンスの作成:専用サイト上から必要なアセットをアップロードし、「何を」「どうすると」「何が」「どうなる」の形式で動作を指定していきます。
②アセットの配置:HoloLens/iOS/Questでルームに参加し、オーサリングで使用するアセットを空間上の任意の箇所に配置していきます。
③シーケンスの再生:配置が終わったらあとはシーケンスを再生するだけです。

準備
以下では詳細なオーサリング機能の使い方をご紹介します。
まずはじめに、シーケンスを作成する前にオーサリングで使用したいアセットを全てルームにアップロードしてください。(途中で追加も可能です)
ファイル一覧の状態が全て「成功」になっているのを確認したら、画面右上の「オーサリング」ボタンを押してオーサリングメニューを開いてください。

オーサリングメニューを開くと以下のような画面が表示されるので、まずは「シーケンスを編集」を押してオーサリングエディターを開いてください。

オーサリングエディターを開くと以下のような画面が表示されるので、「シーケンスを追加する」を押して一つ目のシーケンスを作成してください。

シーケンスを追加すると以下の様に、「何を」「どうすると」「何が」「どうなる」+(オプション)の項目を指定できます。

「シーケンスを追加する」ボタンからさらにシーケンスを追加していくことが出来ます。
それぞれのシーケンスに対して以下の操作が可能です。
・メモの追加
・シーケンスの挿入
・シーケンスの並び替え
・シーケンスの削除

メモを追加した場合、以下のようにアプリ側でオーサリングを再生する際(後述)にも、パネル上に作成したメモが表示されます。


シーケンスの作成

– はじめに
続いては追加したシーケンスの「何を」「どうすると」「何が」「どうなる」+(オプション)の項目の設定に関してご紹介します。
例えば以下の様に自動車をタップすると走り出すといったシーケンスを作りたい場合は、以下の様に設定することで実現できます。
何を:Car.fbx
どうすると:タップすると
何が:Car.fbx
どうなる:Clip01_Driveが再生される

– 何を
「何を」セクションでは、ドロップダウンリストを展開すると「空のオブジェクト」とユーザーがルームにアップロードしたファイル一覧が表示されます。
>空のオブジェクトとは?

– どうすると
「どうすると」セクションでは、ドロップダウンリストを展開するとトリガーとなるユーザーのアクションを指定できます。
・をタップしたら :対象のアセットをタップするとアクションが発動します
・をゲイズしたら :対象のアセットを数秒間注視するとアクションが発動します
・に接触したら :対象のアセットに接触するとアクションが発動します。
※この項目に設定すると接触する対象のアセットを追加で指定する必要があります。
・シーケンスの順番が来たら:直前のシーケンスのアクションが実行されると、その後自動的に現在のシーケンスが実行されます。
※この項目に設定すると「何を」に設定したアセットは無視されます。

– 何が
「何が」セクションでは、ドロップダウンリストを展開するとユーザーがルームにアップロードしたファイル一覧が表示されます。
ここでアクションを発動させる対象のオブジェクトを選択します。

– どうなる
「どうなる」セクションでは、ドロップダウンリストを展開すると「何が」セクションで指定したアセットに対するアクション一覧が表示されます。
・が表示される :対象のアセットが表示されます。※再生時は対象のアセットが非表示状態でスタートします
・が非表示になる :対象のアセットが非表示になります。
・が再生される :アニメーション付きの3Dモデルの場合→アニメーションが再生されます。※オプションでクリップとループON/OFFを選択して下さい。
動画/音声の場合→メディアが再生されます。※オプションでループ再生のON/OFFを指定してください。
複数ページのドキュメントの場合→任意のページが表示されます。※オプションで開きたいページを指定してください。
・が停止される :アニメーション付きの3Dモデル/動画/音声の場合→再生が停止されます。
・の音声メモが表示される :対象のアセットについている音声メモが表示されます。
・の音声メモが非表示になる:対象のアセットについている音声メモが非表示になります。デフォルトでは非表示状態です。
・の回転がリセットされる :対象のアセットの回転(X,Y,Z)が初期状態にリセットされます。
・のスケールが変わる :対象のアセットのスケールが変わります。※オプションで目標のスケールを指定してください。
・がロックされる :対象のアセットが移動/回転/スケールがロックされ、動かすことが出来なくなります。
・がロック解除される :対象のアセットが移動/回転/スケールのロックが解除され、自由に動かせます。
・の重力がONになる :対象のアセットの重力がONになります。
・の重力がOFFになる :対象のアセットの重力がOFFになります。デフォルトではすべてのアセットは重力OFFです。

– シーケンスが完成したら
シーケンスが作成完了したらシーケンスエディターの下の「登録」ボタンを押して編集を完了してください。
指定すべき箇所が指定されていないとエラーメッセージが表示されます。エラーが起きているシーケンスは再生時に自動でスキップされてしまうためエラー箇所を修正するか、エラーの起きているシーケンスを削除してください。

アセットの配置

続いては実際にHoloLens2/Quest/iPad/iPhoneでルームに参加すると、オーサリングで使用するアセットがルームの中心にまとめて表示された状態になります。
ここからそれぞれのアセットを見せたい場所に配置していきます。
※再生モード(後述)中に動かしたくないアセットは、オブジェクトメニューよりロックしてご利用ください。


専用サイト上で作成したシーケンスはメインメニューのToolsのAuthoringボタンから確認することができます。

Authoringボタンを押すと空間上に以下の様なパネルが表示されます。このパネルには作成したシーケンス一覧が表示されています。

配置が完了した場合は、メインメニューのOthersのSave/Loadから、ルームを保存していただくようお願いいたします。(Auto Saveスロットを推奨)
また一度保存すると、次回以降ログインした際には再生モードでルームが開始されます。

シーケンスの再生
シーケンス一覧のPlayボタンを押すと以下の様に、オーサリング再生モードへと変化します。
再生中は現在のシーケンスが示されるので、トリガーとなるアクションをユーザーが行うと、設定したアクションが実行されます。
アクションが実行されると自動的に次のシーケンスに進むので、同様に次のシーケンスで設定したトリガーとなるアクションを実行してください。
※オーサリング再生中はAssetsカテゴリを開く事はできません。

例えば、以下の場合だと左に示したシーケンスが設定されており、次のような挙動になります。
自動車のモデルをタップする
↓
タイヤのモデルとエンジンの画像が表示される
↓
タイヤのモデルをタップする
↓
タイヤのアニメーションが再生される

オーサリング再生中に、誤操作やシーケンスの設定のミスで次のシーケンスへと進める事ができなくなってしまった場合は、Nextボタンから強制的に次のシーケンスに進める事ができます。また、Resetボタンからは強制的に1番目のシーケンスに状態を戻す事ができます。
オーサリングの再生を停止する場合はEditボタンから停止してください。
※現状は特定のシーケンスまでジャンプしたり、シーケンスを一つ戻したりする操作はできません。ご了承ください。

再生中のアセットの位置やサイズの変更は保存されませんので、Editモードに戻すと元のレイアウトに戻ります。
位置を調整したい場合はEditモードに戻してから行い、再び再生モードで見栄えや挙動を確認するという流れで作業されることをおすすめしております。
また、アプリでルームにログインしたままサイト上でシーケンスを変更した場合は、メインメニューのFilesの更新ボタンを必ず押してください。

応用編
– 空のオブジェクトを使う
シーケンスの「何が」セクションで指定できる「空のオブジェクト」は当たり判定のみをもつ透明なオブジェクトです。以下のように特定のエリアにユーザーが近づいた際に、別のアセットのアクションを発動させるなどの際にご利用下さい。

ドロップダウンリストから空のオブジェクトを選択すると、ルーム上では右のようにEmpty_(シーケンス番号)と表示された水色の半透明の球体が表示されます。
位置やサイズを自由に変えられるので、当たり判定としてご利用ください。


ただし、上記の方法だと一つのシーケンスにつき、一つの空のオブジェクトが生成されるため、同じ空のオブジェクトを複数のシーケンスで使いまわすことができません。
同じ空のオブジェクトを他のシーケンスでも使用したい場合は、オーサリングメニューから「空のオブジェクトを追加」を選択してください。

以下の様に新たな空のオブジェクトを作成する画面が表示されるので、わかりやすい名前を付けて登録を押してください。
作成された空のオブジェクトは他のアセットと同様に、アセット一覧に表示されます。


ドロップダウンリストから先ほど作成した空のオブジェクトを選択することで、通常の空のオブジェクトと同様にご利用いただけます。
ルーム上では右の様にご自身でつけた名前が表示されます。


– テキストパネルを使う
以下のようにオーサリング再生中に、ユーザーにメッセージを表示するテキストパネルを簡単に作ることができます。
こちらではテキストパネルの作成方法をご案内いたします。
> テキストパネル本体を作る
> 表示するメッセージを作る
> シーケンスに組み込む

– テキストパネル本体を作る
テキストパネル本体とテキストパネル内に表示するメッセージを別々に管理する仕組みになっています。
まずはテキストパネル本体を作るので、オーサリングメニューから「テキストパネルを追加」を選択して下さい。

「テキストパネルを追加」を選択すると新たなテキストパネルの作成画面が表示されるので、わかりやすい名前をつけて登録を押してください。
登録するとアセット一覧に作成したテキストパネルが表示されます。


– 表示するメッセージを作る
続いてはテキストパネルに表示するメッセージを作成します。
再度オーサリングメニューから「メッセージを管理」を選択して下さい。

「メッセージを管理」を選択するとメッセージの管理画面が表示されるので、「メッセージを追加」を押してください。
右側に新たなメッセージの作成画面が表示されるので、タイトルと本文を入力してください。
また「ボタンを追加」からテキストパネル上に好きなラベルのボタンを作成できます。
※デフォルトでは「OK」ボタンが表示されます。


「ボタンを追加」を押すと新たにボタンを作成できますので、好きなラベルを付けてください。
タイトル、内容、およびボタンの編集が完了したら最後に必ず「登録」ボタンを押してください。
「登録」ボタンを押すと、左のメッセージ一覧に作成したメッセ―ジが表示されますので、次は実際にシーケンスにテキストパネルを組み込みます。


– シーケンスに組み込む
ここでは作成したテキストパネルと表示するメッセージをシーケンスに組み込んでいきます。
シーケンス一覧を表示させて、「何が」セクションのドロップダウンリストを広げると作成したテキストパネルが表示されるので選択します。
次に「どうなる」セクションにて「表示される」を選択します。


「表示される」を選択するとオプションセクションに新たな項目が表示されます。
ドロップダウンリストを開くと作成したメッセージが表示されるので選択します。
またここで、次のシーケンスの「どうすると」セクションを「シーケンスの順番が来たら」にすることで、テキストパネルのボタンを押すと次のシーケンスに進むようになります。


シーケンスの修正が完了したら忘れずに「登録」ボタンを押して上書きしましょう。
アプリでルームに入ると作成したテキストパネル本体が表示されるので、他のアセットと同様に好きな位置にレイアウトしてください。
※オーサリングの変更が反映されない場合は、Editモード中にFilesの更新ボタンを押してください。

テキストパネルの配置が完了したらオーサリングパネルから再生モードにしてください。
例えば、以下の場合だと左に示したシーケンスが設定されており、次のような挙動になります。
空のオブジェクトをタップする
↓
タイヤのモデルとテキストパネルが表示される
↓
テキストパネルのボタンをタップする
↓
タイヤのアニメーションが再生される

これでテキストパネルの使い方は以上になります。